とある土曜日の夜。
南青山で所用があったので、帰りに清水湯に寄った。

場所は表参道駅から青山通りを外苑前方向に進み、歩くこと約５分。
建物の一角にあり、看板がないと通り過ぎてしまいそうになる。

館内に入ると、ここは銭湯なのかと考えてしまう。
カラフルなタオルにラックに掛けられた靴下。雑貨屋さんのようにアメニティグッズが並ぶ。
受付のお姉さんは声優さんかと思うほど独特な声と雰囲気があった。
やっぱり、店を間違えてしまったのかと不安と好奇心が行ったり来たりした。

お風呂はこじんまりとした空間に、サウナや独立したカラン、ジャグジーなど各種風呂が設置されている。銭湯というよりスーパー銭湯に近いように感じた。

清水湯の湯船に浸かりながら考えた。
清水湯は銭湯のガラパゴス化を象徴する銭湯なのだと。

南青山という立地なのか、客層は今までで一番若いように感じた。ピアスをしたアパレル店員のような人、赤毛のミュージシャンのような人、小金持ちのようなおじさん。今まで行った銭湯にはあまりいなかった人達だった。

銭湯には珍しく壁面には広告がはられている。南青山という立地をなにか表しているように感じた。また、脱衣所のガラス画には中国美人のような女性とツバメが描かれていて統一感のない混沌とした印象も受けた。

湯船の温度は４０度程度と温め、そして、お風呂含め館内全体にはジャズの音楽がかかる。
いつも以上に私も長湯をして様々なことを考えてしまった。

土地柄に適応し、土地柄を生かした銭湯である。

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清水湯

場所　港区南青山3-12-3

時間　平日 12:00～24:00（最終入場23:30）　土・日・祝日 12:00～23:00（最終入場22:30）

毎週金曜日定休